農家における点毛和種雌肥育牛へのビタミンC補給が血紫中ビタミンC濃度および肥育成績に及ぼす効果

摘要

和牛雌肥育において，ビタミンC製剤補給が血袋中ビタミンC濃度および肉質に与える影響を検討した。 13ヶ月齢からビタミンA制御を行うとともにビタミンC製剤を13から15ヶ月齢（3ヶ月間）まで補給した区（13A3C），15ヶ月齢からビタミンA制御を行うとともに，ビタミンC製剤を15から17ヶ月齢（3ヶ月間）まで補給した区（15A3C），15から19ヶ月齢（5ヶ月間）補給した区（15A5C）ならびに無補給の区（15AOC）を設けた。 ビタミンC補給には硬化油被膜製剤を用い，ビタミンCとして1日1頭あたり36g摂取するようにTMRに混合し給与した．ビタミンA制御については，ビタミンA製剤無添加飼料を3ヶ月間給与し，以降出荷までは月齢に応じ1日1頭あたりビタミンA供給量を6，000から8，000 IUに制限した。 血安中ビタミンC濃度は，補給前，補給中，補給直後においてほとhど変化を認めなかったが，すべての区において月齢が進むにつれ有意に低下した。 ビタミンCはその補給時期に関わらず，牛肉のきめを有意に向上させた。 13A3C区では，15A3C区ならびに15AOC区と比べBMSが有意に高かった。 一方，13A3C区と15A5C区との間に差は認められなかった。 本試験の結果から，ビタミンC補給は血祭中濃度には反映されにくいが牛肉のきめを向上すること，ビタミンCを特定の時期に補給するとビタミンA制御との組み合わせによりBMSの改善につながる可能性があることが示唆された。