ゥンシユウミカン開花始期を利用したャノネカイガラムシ (カメムシ目：マルカイガラムシ科） 第1世代幼虫の初発日予察法

摘要

ャノネカイガラムシUnaspis yanonensis Kuwana (カメムシ11： マルカイガラムシ科；以下，ャノネ）はII本におけるカンキッの 重要害虫である（大橋、中，2001).本ffiは中国を起源とし，東 アジアのカンキッ産地に分布している（Blackburn and Miller, 1984； Kim et al"2008).本種の擗化直後のクロ一 ラー(crawler) と呼ばれる歩行幼虫や雄成虫以外の発育態は固肴性であり，ト:に 樹の枝や葉に寄生し，多発すると樹勢の低ドゃ枯死を引き起こ す.成熟した雌成虫の虫体は蝇物f〖などで出来た介殻で覆われ る.また繁殖形態が卵胎生であるため，卵は介殻下で産卵され， 孵化した歩行幼虫が介殻から這い出る.このため，雌成虫に対し て殺虫剤を散布しても，介殻により虫体および卵に十分に付おし ないので，防除効果は低い（西野，1974).したがって，介殻に よる被覆が不十分な若齢幼虫が防除対象になる.^齢幼虫発生時 期の把握のためには，歩行幼虫発生時期を知る必要がある.特に 越冬成虫から出現する第1世代幼虫の発生は他の世代に比べ-で（野原，1962)，他の世代と比較して効率的に防除できると考 えられることから，第1世代幼虫が発生を開始する時期を知ることが重要である.