豚のエネルギー消化率の人工消化試験による推定法

摘要

近年，新たな飼料原料が用いられ，簡 易な栄養評価法の開発が求められている。古谷らは2ステツプ人工消化試験によって乾物 (エネルギー）およびCP消化率を推定する方法を開発したが，小腸液を使うことが難点と されている。その後，Boisen and Fernandez は小腸液を市販のパンクレアチンに替えた人工消化試験法を開発したが，培養時間が長い問題がある。本試験ではパンクレアチンを用 いるとともに培養条件を検討して古谷らの方法を改変した。次に，回腸および全消化管で のエネルギー消化率が既知の8種類の飼料を用い，改変した方法によりエネルギーの人工 消化率を測定し，人工消化率から豚の消化率 を推定する場合の推定精度(残さの標準偏差， RSD)について検討した。