豚のロースの深さによるロース断面積の推定

摘要

超音波探傷機を使って測定した生豚のロースの深さからロース断面積を推定する方法を確立するため，枝肉横切断写真から測定したロースの深さと枝肉ロース実面積との関連を検討した。 はじめに体長1／2部位ロース面積（REMl／2）と背正中線から2cm，4 cm，6cmおよび8cm脇にずれた部位のロース深さ（P2，P4，P6，P8）の関連について，次いで，最後胸椎部位ロース面積（REMLAST）と背正中線から4cm，6cmおよび8cm脇にずれたワースの深さ（LP4，LP6，LP8）の関連を検討した。 体長1／2部位測定にはデュロック種149頭（去勢103頭，雌46頑）を，最後胸椎部位測定にはデュロック種220頭（去勢丁62醜雌58頑）を剛、た0体長1／2部位についてはロースの深さから6種類の台形面積を計算Lた。 （①Sl＝（P2＋P4）×2／2，②S2＝（P4十P6）×2／2，⑨S3＝（P6＋P8）×2／2，④S4〒Sl＋S2＝P2＋2P4＋P6，⑤S5＝S2＋S3＝P4＋2P6＋P8，⑥S6＝Sl＋S2＋S3＝P2＋2P4＋2P6＋P8）0実測ロース断面積（REMl／2）とカラ，スキャニングスコープで測定したロース断面積（SEMl／2）との相関は0.728（Pく0.001）だった。 実面積（REMl／2）はロース断面積の深さのP6と最も相関が高く（0.817，P＜0．001），台形面積でほS5との相関（0.855，P＜0.001）が最も高かった。 ロース断面積の深さと台形面積を独立変数とした重回帰分析の結果，REMl／2＝2.125S5LO.730P8－4月83の回帰式が最も高い自由度調整済み寄与率（R~2＝0.764）だった。 実測最後胸椎部位ロース断面積（REMLAST）はLP8と0月30（P＜0.001）の最も高い相関を示し，LP4，LP6との相関はそれぞれ0．604（Pく0.001），0.795（P＜0.001）だった。 三部位を従属変景とL，REMLAST＝1．104LP4＋1．551LP6＋3.757LP8＋1.1184の回帰式と0.724の自由度調整済み寄与率が得られた。 生体での測定を考慮しLP6を独立変量とした場合，REMLAST＝6．012P6＋0．913の回帰式と0．631の自由度調整済み寄与率が得られた。