水田土壌および水稲根におけるメタン酸化細菌の菌数と菌学的特徴

摘要

水田土壌および水稲根におけるメタン酸化細菌の菌数を比較検討すると共に分離菌株の菌学的特徴を明らかにした．1）メタン酸化細菌の計数法について検討し，増値に伴って生成する炭酸ガスを測定する方法によって計数を行えることが判った．2）メタン酸化細菌の菌数は105～106MPN g~(-1)乾土であり，湛水期，落水期においてもまた施肥条件の違いによっても菌数ほ変わらなかった．水稲品種の違いについては明らかにできなかったが，根には土壌と同じかそれ以上の菌数が計数された．3）分離されたメタン酸化細菌はすべてグラム陰性，オキシダーゼ陽性，カタラーゼ陽性の外生胞子を形成する梓状または湾曲状細胞で，細胞内膜組織はタイプⅠⅠの菌種であった．水田にタイプⅠⅠのメタン酸化細菌が優毒することについて考察した．