クロァヮビの消化酵素活性と消化管内容液細菌叢モニタリングのための消化管内容液採取法 '

摘要

ァヮビ類は沿岸岩礁域における重要な産業種であるが，1969年に約6，500トンあつた大型ァヮビ類の漁獲量が 減少を続け，近年では約2,000トンまで落ち込hでい る。特に近年資源の回復傾向が見られたェゾァヮビにつ いては，昨年3月11日の東日本大震災に伴う津波によ つて多くのェゾァヮビ資源が失われ，漁業者に大きな影 響を与えていることから，種苗用ァヮビを安定的に供給 し，効果的な放流を行うことによる資源の底上げ，及び 天然ァヮビ資源の保全につながる研究が求められている。 ァヮビ類は褐藻類を主餌料とする藻食性動物であり， 摂餌した海藻を消化管の中の独自の酵素を用いて消化を 行うこと，また，消化管内に多くの細菌が定住し，海藻 に含まれる多糖類の消化に寄与しているといったュニー クな特性を持ち，ァヮビ類の成長や生残に直接関連する 餌料消化に関わる研究が積極的に行われてきた。