ゥズラ卵が原因食品と推定されたSalmonella enterica serovar 4，[5]，12 ： i ：-による食中毒の発生と ゥズラ卵のサルモネラ汚染状況調査

摘要

近年，S. Typhimurium (ST)のmonophasic variantと されるSalmonella enterica subspecies enterica serovar 4，[5],12:i:-(以下Salmonella to serovar 4，[5]，12:i:-)に よるヒトサルモネラ症の増加がスペインで1997年， ニューヨーク市で2002年など，欧米諸国から報告され ている1'5'111.同様の傾向は日本国内においても見られ， 近年.Salmonella serovar 4,[5],12 ： i ：-がヒトから分離 されるケースが報告されている8'16).また，日本国内で は.ゥシ，ブタ，家禽，ァライグマ.カラス，ペンギン， ォゥム，河川水等から分離された報告があるものの7'1Q). これまでにSalmonella serovar 4， [5].12 ：1 ：-を原因とす る集団食中毒の発生は報告されていない.今回.われわ れは，2010年に島根県で発生したサルモネラ04群によ る集団食中毒2事例の患者および施設従業員由来株につ いて，詳細な分析を行ったところ，分離菌株がSfltoto-nella serovar 4,[5],12:1:-であることが判明したので， 報告する.さらに，これら集団食中毒2事例の提供された食品については生のゥズラ卵が共通して提供されてい るとともに.ゥズラ卵の不適切な取扱いが確認された. ゥズラ卵の生食が原因と推定されたため，集団食中毒と の関連性を調べる目的で島根県に流通しているゥズラ卵 のサルモネラ汚染実態調査およびゥズラ卵から分離され たサルモネラ属菌を分析した.