機能水（次亜塩素酸水）の発展と普及

摘要

水に科学的処理を施すことにより再現性ある新しい機 能を獲得したものを機能水といい，その代表的なものが 電解水である。中でも，食品添加物（殺菌料）に指定さ れている酸性電解水（次亜塩素酸水）力5，食品衛生分野において普及が進hでおり，最近はHACCPの義務化の 動きが普及の追風になっているといわれている。次亜塩 素酸水は，薄い食塩水や塩酸水の電気分解によって直接 つくられ，殺菌活性の高い次亜塩素酸の含有率が高いた め低有効塩素濃度ながら広範な病原性細菌やウィルスの 殺菌、不活化に顕著な有効性を示す。人に対する安全性 が高く，希釈せずにそのまま水道水感覚で流水（かけ流 しゃオーバーフロー）使用するのが基本用法である。環 境に対しても安全性が高いので，廃棄が容易という利点 も持っている。本稿では，HACCPに基づく衛生管理を 念頭に次亜塩素酸水の発展と普及の状況について概説する。