特集「ユネスコMAB (人間と生物圏）計画: 日本発ユネスコェコパーク制度の構築に向けて」：趣旨説明

摘要

本特集は、日本生態学会札幌大会こおいて、2011年3 月8日に開催された企画集会T06の講演の一部をまとめ たものである。当日のプログラムは表1のとおりである。 標題にあるMABとはユネスコのMan and the Biosphere (人 間と生物圏）計画のことであり、その取り組みの一つに 生物圏保存地域（Biosphere reserve,以下BRと略記）の 登録と活用がある。日本では1980年に4か所が登録され ているが、どこも活動の実態に乏しい。ユネスコェコパ ークとは、BRを日本国内で広めるために、ユネスコ国内 委員会で決めた日本国内での通称である。ユネスコでは、 人類の存続と持続可能な発展のために、BRの指定と活用 を通じ、原生的な自然環境の保護と地域社会の福利の向 上の両立を図る国際事業として、MAB計画を世界規模で 進めている。MAB計画は、生物多様性と生態系サービス の維持'向上、および世界の文化的多様性を維持する上で、 極めて優れた枠組みであると国際的に認知されている。