公募シンポジウム「モデルとデータのギャップを埋める：生態学における理論研究と実証研究の連携」に参加して

摘要

事前に、企画責任者の吉田文人さhから、このシンポジウムへの参加と日本生態学会誌へのレポート作成の依頼を受けたのですが、実は、はじめは同じ学科で研究室も隣の竹内康博先生へ依頼されていました。 しかし竹内先生は今回の生態学会には参加されないために、私のところへまわってきたのです。 吉田さhの企画されたシンポジウムの趣旨は、数理モデル屋を自称している者であれば、誰でも非常に関心をもっているはずのものですので、（このレポーターが私にとって適任であるかどうかはさておいて）お引き受けしました。 生態学に限ったことではないと思いますが、どhなに抽象的なモデルであったとしても、目の前にあるおもしろい現象のメカニズムを説明しようとしたり、将来に観察される現象の予測をおこなう場合には、それが定性的であれ定量的であれ、数理モデルの妥当性が評価されれば嬉しいものです。また、逆に評価があまり芳しくないものであれば、フィールド屋さhからの直接的あるいは間毒妾的なアドバイスを受けたりしながらモデルの改良を試みるのが、モデル解析の醍醐味でもあり、王道でもあると思います。 裏返してもっとはっきりと言えば、データの裏づけのない理論は机上の空論であるし、理論と切り乾されたデータは個人で楽しむ趣味のようなものです。 生態学が現代の科学の一部門として揺るぎないものとして発展し続けるためには、理論とデータの間には強い連携が不可欠であると思います。