作用温度28°Cにおける日本人青年の安静時代謝量に及ぼす姿勢の影響

摘要

日本人の温熱環境評価に必要な人体データを蓄積する目的で代謝量の基準値を立位，椅座位，平座位，臥位など生活でとる姿勢別に測定し，各姿勢別の基準値を示した．実験は健康な青年男性5名を被験者とし,気温と平均放射温度が等しい作用温度28°Cの温熱環境条件下でおこなった．実験に用いた姿勢は，平座位姿勢を中心とした8種類を用いた．着衣条件はほぼ裸体で　 安静状態でおこなった．その結果,椅廃位からの姿勢変化による影響が確認され，姿勢別に代謝量を示す必要があることが明らかになった．また，代謝量比に姿勢差が認められた．日本人青年男性の実測結果と戒澄ら（1999）の日本人青年女性のデータから，日本人青年の椅座位姿勢の実測平均代謝量は47．32W／m~2となった一橋座位姿勢の代謝量を基準とした日本人青年の各姿勢の代謝量比は，立位が1．164,　 正座位が1．085，胡座位が1．059，横座位が1.024，立て膝位が1．046，投げ足位が1.068，側臥位が0．935となった．