建設現場で連続測定したWBGTと環境省発表値との差異の把握 -現地計測および連続測定の重要度について-

摘要

近年，建設現場における熱中症災害の発生率が増加している。特に今夏は連日猛暑日となる災害級の暑さ となり，その深刻度が注目される状況となった。これは，ヒートアイランド現象のみならず，地球規模の温 暖化にも起因しており，近年の平均気温の上昇傾向をみても悪ィヒし続けると考えるべきである。一般に，建設現場においては，熱中症予防指標の一つであるWBGT (暑さ指数）を利用した作業管理が行われ ている。WBGTには環境省発表のものと，現場で計測するものがあるが，環境省のWBGTは現場とは異なる地 点で測定されているため，実際の作業場所におけるWBGTとは異なっている可能性がある。しかし，建設現場 におけるWBGTの計測は，一日に数回代表点において測定を行う程度が作業管理上は限界であったため，環境 省が発表する1時間毎のWBGTと現場実測で得られるWBGTを比較することは困難であった。