地球温暖化リスクに関する最新の科学的知見（IPCC第5次評価報告書の概要 とその後の研究動向）

摘要

2014年3月下旬、神奈川県横浜市で開催されたIPCC (気候変動に関する政府間パネル）第38回総会にお いて、第2作業部会第5次評価報告書）の政策決定者向け要約（SPM)の審議が行われ、3月30日に全会一致 で承認された。第2作業部会第4次評価報告書が承認、公表されたのが2007年4月なので、7年ぶりの第2 作業部会評価報告書ということになる。IPCC評価報告書は3つの作業部会による各作業部会報告書とそれ らを総括して作成される統合報告書からなるが、そのうち第2作業部会の役割は、温暖化の影響ならびに 適応策に関する最新の科学的知見を評価することである。第2作業部会報告書は、先述のSPMに加え、技 術要約（TS)、さらにSPM.TSの根拠となる30章の各章本文で構成されている。SPMについては総会の場で、