ウシ体外成熟卵子の単為発生におよばす複合活性処理法

摘要

本実験ではウシ体外成熟卵子を高率に胚盤胞まで発生される最適な人為的酒性化処理法を確立することを目的とした。 実験1．ウシ体外成熟卵子を3．5％または7％エタノール、および2．5μMまたは5μM Caイオノホアで1回または2回処理し、さらにシクロへキシミド（10μg／ml）とサイトカラシンB（2．5μg／ml）を併用して活性化処理後、合成卵管培養液培地を用いて体外培養を行い、ウシ酒性化卵子の前核形成率、分割率および胚盤胞への発生率に及ぼす影響を検討した。 3．5％エタノールと2．5μM Caイオノホア処理では、2回処理区が発生率において有意に（P＜0．05）高い億を示したが、7％エタノール、5μM Caイオノホア処理では1回と2回処理区の間に有意差は見られなかった。 胚盤胞への発生率は7％エタノール、5μM Caイオノホアの1回処理区が最も高率（30．0％，27．0％）であった。 3．5％または7％エタノールの2回処理区がそれぞれの1回処理区（3．5％，7％）に比べ有意に（P＜0．05）高い胚盤胞の核数を有していた。 Caイオノホア処理区では胚盤胞の核数では全ての実験区の間に有意な差は見られなかった。 実験2．直流パルス（100V／mm，90μsec）刺激区、5μM Caイオノホア処理＋直流パルス刺激区、7%エタノール処理＋直流パルス刺激区の胚盤胞への発生率は、7％エタノール（31．7％）または5μM Caイオノホア（38．3％）と直流パルスを組み合わせた区が直流パルスのみの区（15．8％）に比べて濁意（P＜0．05）に高かった。