単為発生胚との共移植が凍結一融解後の ゥシ体内受精胚の受胎成績に及ぼす影響

摘要

凍結、融解胚移植後の受胎成績を向上させるため、妊娠認識物質であるインターフェロンての分泌能を持つ単為発生胚（PA胚）の共移植の効果について検討した。まず、発情後7日目日：0日）の受胚牛にPA胚を1、2、あるいは10 胚ずつ移植し、Dayl6に胚の回収を行いPA胚の 子宮内での発育状況を調査した。その結果、1胚 区からは胚が回収されず、2胚区、10胚区からは 1-15 mmのPA胚が回収され、回収率はそれぞ れ0% (0/3)、 33% (2/6)、 67% (2/3)であった。 つぎに，凍結、融解された受精胚とPA胚との共 移植を行い、受精胚の受胎率に及ぼす影響につい て検討した。胚移植後の受胎率は、PA胚と受精 胚の共移植区では38% (14/37)と、対照区の受精 胚のみの移植区の47% (15/32)に比べ、PA胚の 共移植による受胎率の改善はみられなかつた。 PA胚を共移植した受胚牛の分娩状況を調査した ところ、異常産、産子の異常はみられなかった。 以上の結果から、本移植試験においては、凍結、 融解した受精胚とPA胚の共移植による受胎成績 の向上は認められなかった。