メンヨウにおけるアンモニア処理飼料 イネサイレージ風乾物の飼料価値

摘要

本研究では成メンヨウにアンモニア処理した飼料イネホールクロップサイレ一ジの風乾物（AAFR) を給与し，飼料価値を検討した。供給飼料として AAFR,チモシ一乾草（TH),圧ペントウモロコ シ（RC)を用い，供飼動物の維持に要する代謝 エネルギーおよび代謝性タンパク質を充足するよ う給与した。試験は一元配置法によって行った。 第I期ではAAFRとRC,第II期ではTHとRC， 第III期ではTHのみを給与した。各試験期は12 日であり，7日間の予備期の後，5日間に渡り全 糞全尿採取を行った。給与飼料の有機物（0M) 消化率は第I期が第II期より有意に高かった（P <0.05) が, 粗タンパク質（CP)消化率は第I期が 第HI期より有意に低かった。粗脂肪（EE)消化率は第I期と第II期が第III期より有意に高かつた。0MおよびEE消化率はAAFRがTHより 有意に高く， CP消化率はAAFRがTHより有 意に低かった。摂取窒素蓄積率および吸収窒素蓄積率は第I期と第III期が第II期より有意に高かつ た。微生物体窒素供給量および合成効率は第I期 が第I期と第III期より有意に低かった。血漿中尿 素態窒素に有意な差は見られなかった。血糖値は 第I期が第III期より有意に高かったが，各期間と も生理的範囲内であった。以上の結果から，乳用 牛生産で余剰となった飼料イネホールクロップサ ィレ一ジをaafrに調製したものは，メンヨウ の維持目的の基礎飼料として給与することが可能 であることが示された。