妊娠後期の放牧ヤクにおけるセレニウム（Se）とどタミンE（V. E）投与後の血清中Se，V．Eおよびプロジエステロン濃度の変動

摘要

妊娠末期ヤクへの無機セレニウム（Se）とビタミンE（V. E）投与が繁殖ヤクの分娩前後における血清中SeおよびV. Eの動態および分娩後黄体機能回復に及ぼす影響を明らかにする目的。 で分娩4週間前の妊娠末期放牧ヤクに対してSe 20mgおよびV. E 544 IUを1回で筋肉内接与し，血清中Se，V. E及びプロゲステロン（P_4）濃度の変動を検討した。 1）投与区の血清中Se濃度は投与前の17.5±3.4 ng／mlから2週目の45.2±3.8ng／mlまで有意に上昇し（p＜0.．001），その後8週目まで低下しながらも，着意に（p＜0．01）高値で推移したのに対し、対照区の血清中Se濃度は分娩前後を通して著しく低い値を持続した．投与区は対照区と比べると2週目と4週目，8週目で有意に高い値を示した（それぞれp＜0．001，p＜0．001，p＜0．05）．2）対照区の血清中V. E濃度は分娩前後に低い倍で推移し，試験開始後4週目（分娩時）に素意に低下した（p＜0．05）．これに対し，投与区の血清中Ⅴ。 E濃度は投与前に442±70ng／dlの低値であったが，投与後4週目（分娩時）に低下が見られたものの，投与後6週目，8週目では投与，前より有意に高かつた（ともにp＜0.001）．Se、V. E含有製剤投与後4過日，6週目と8週目では対照区に比べ有意に高値を示した（それぞれp＜0．05，p＜0．001，p＜0．001）．3）投与区の血清中P4濃度は対照区より分娩複号期に増加する傾向が見られ，分娩後8週目。 では，対照区よりも有意に高かつた（p＜0.05）．