一浴精練漂白後キトサン処理した柞蚕絹織物の白度，かたさおよび染色性

摘要

柞蚕絹織物を－浴棉練漂白後キトサン処理すると，480nmにおける反射率（68．2％）は，一山浴精練漂白した柞蚕絹織物（71．2％）と大きな差はみられなかった。 さらに酸化漂白または還元漂白を行った場合，いずれも自度が若干向上した。また柞要絹織物を一浴精練漂白後キトサン処理し，塩基性染料型のクマリン系誘導体の蛍光漂泊剤で処理すると，染料濃度5％owfの450nmにおける反射率（D65光源）はキトサン処理枠車綿織物80．23％，無処理柞蚕絹織物86．94％で，ともに未蛍光増自に比して著しく増加した。 一浴精練漂白後キトサン処理した柞蚕絹織物甲厚さおよびかたさは，精錬しキトサン処理後漂白処理柞蚕絹織物よりもかなり増加した。 一浴精練漂白後キトサン処理した柞蚕絹組物をOrange II，Bellzopurpurine 4B，Irgalan Red 2BL．Kayalon VioJet BB，Methylene Blue，Neolan Orange G，Alizarine Red SおよびProcionOrange H－GRで染色した場合の染着性はキトサン処理によっていずれも増加するが，とくにBenzopurpurine 4Bが著しく増加した。 また一浴精練漂白後キトサン処理した柞蚕絹織物をOrangeliで染色した染着性は精錬しキトサン処理後漂白処理した秤蚕絹織物より高くなった。 一浴精練漂白後，キトサン処理によって色差の大きいものは，Bellzopurpurine 4BおよびOrange IIで，Benzopurpurine 4Bは色相，明度および彩度，OTange IIは彩度による影響が大きいものと考えられる。 これらはいずれの染料も染着濃度が高いことに基因するものと考えられる。