1か月数値予報の利用技術の改善－平成9年度全国季節予報技術検討会報告－

摘要

1か月予報にアンサンブル手法による力学的数値予報を導入するとともに，予報内容を確率表現中心に変更してから約2年が経過した．予報に対する要望や課題が指摘されてきたことから，今検討会では，1か月予報および解説資料の改善をキーワードに検計を行った．1か月予報の改善に向けてほ，新しい予報要素として降雪量予報の追加と，天候に関する記述の付加について検討した．降雪量については，12月から2月の期間，日本海側の地方において4週間降雪量の予報が可能であることが示された．天候に関する記述については，天気日数ガイダンスの検討からは，地域や季節により精度に大きな差違があること，ガイダンスに顕著な傾向の現れた場合には情報提供が可能であることが確認できた．また，予報要素と天候の特徴との関係の調査からは，地域ごとに予報要素と天候の出現頻度との関係が整理され，今後は予報のみならず解説にも広く活用できる．さらに，解説資料の改善では，確率予報の普及や利用に向けての提案や工夫が紹介された．