「静電的分散状態にあるモンモリロナイト懸濁液の降伏値」

摘要

大学院生の頃から数えればもう十年あまりになるが，筆者は主に球形のコロイド粒子を対象に，その粒子が集まって作る凝集体（フロック）の幾何学的構造とその形成の動力学に撥報hできた。今回，本コーナーへ指名していたたいた「静電的分散状態にあるモンモリロナイト懸濁液の降伏値」の内容は，コロイド科学的な観点からすると，筆者がこれまで行って来た研究の申では，その清動中心のいわば対極に位置している。 のっけから無賓任な言い方になるか，本給文はその対局に向かって筆者のアイディアを一つの思考実験の形でまとめたに過ぎず，疲出した理論の正否については，今後の追試の結畢を待たねば鱒らない。 この問題に関わちた期間を考えれば,筆者が本論文の内容についセ果たしてこれ以上かたるに足る程の資格をどれほど持っているか，正直首をかしげてしまう。 しかし，このコーナーはあまり形式ばらずに論文にまつわる裏話などを披露すれば良いことになっているそうなので，本論文に関われば多少回想的なものも許容されるものと解釈して本稿を執筆させていただいた。