湛水直播水田用の自動水管理システム

摘要

我が国における直播稲作栽培の研究は栽培面積の拡大と湛水移植栽培の省力化を目指して始められた（吉岡，1948）。 最近は当時と若干異なり，水田農業の低コスト化の一つの切り札として，日本型直播稲作栽培の確立が強く求められている（櫛渕，1995）。 櫛渕らは四半世紀にわたる直播稲作研究を栽培様式と栽培技術の観点からレビューし，その中で解決すべき技術的課題として，たとえば新品種の育成や出芽，苗立ちの安定化　 中間管理作業の削減等をあげている。 また，丸山，松村（1996）は直播栽培の水管理は移植栽培より難しく，用水の使用量も多くなることを指摘している。 この他に生育初期に見られる風による吹き寄せの問題や生育後期に起こる稲の倒伏の問題も生育期間中の水管理と関係した現象と捉えることができる。 そこで，本研究では，この水管理と水稲の初期生育との関係に焦点をあ七湛水直播栽培の安定化に役立っ自動水管理システムの開発を行う。