土壌微生物性に基づいて畑土壌を評価するための方策

摘要

環境に配慮した持続的作物生産技術が求められている。 このため，施肥法の改善や土壌の養分供給量の予測，作付体系の再評価，病虫害の生物防除といった研究が進hでいる。 一方，土壌微生物の分野ではなお未解明なことが多く，環境保全型農業の確立にとっての糧路にもなっている。 すなわち，今日の集約的な野菜作では，、産地の団地化や収益性から連作を余儀なくされており，野菜の根に悪影響を及ぼす微生物群が集積し，根の養分吸収能が低下していることが危供されている。こうした土壌でも農薬と肥料を多量に施用すれば短期的には生産を維持できるが，土壌養分の富化、不均衡状態が進hで作物の生理障害を招くことや土壌微生物相を更に悪化させることに加え，耕地系外に流出する農薬と肥料分は環境問題を引き起こす。 こうした問題を根本的に克服するためには，土壌微生物相を改善して健全な作物根をつくり，肥料の利用効率を高めたり農薬の施用量を減らすことが望まれる。