農業用ため池の簡易な窒素濃度予測と水質保全対策効果の評価手法

摘要

ため池は農業用水源としてだけでなく親水空間の提供の場としても重要である。全国で約21万個といわれるため池の多ぐで水質の悪化がみられている。 第1表は，農林水産省が1991～93年にかけて調査したため池の水質を，「生活環境の保全に関する環境基準」にあてはめて整理したものである。全体の約40％が最低の環境基準を満足していない状熊である。全国では，ため池の水質保全対策が実施されている。 対策によって効果的な水質改善が図られるためには，汚濁原因と対策効果について定量的な予測、評価が必要となる。しかし，ため池では流入河道が不明確な場合が多く，流入水量と負荷量の調査が極めて困難となる場合が多く，十分な情報が与えられていることは稀である。