日本の水田土壌の湛水培養無機化窒素量の特德 とその簡易迅速評価法の開発第4報分光光度計とCOD測定用 試薬セットを組み合わせた手法による 水田土壌可給態窒素の簡易迅速評価

摘要

水稲吸収窒素の多くは土壌由来であり（上野ら，1988), その供給量を把握することは重要である.水田土壌からの 窒素供給の指標となる可給態窒素の改善目標値は，地力 増進法（昭和59年法律第34号）に基づく地力増進基本指 針（農林水産省，2008)により80-200mgkg一1と示され ている.水田土壌の可給態窒素は風乾土を湛水条件下で 30°C, 4週間培養し，その無機化窒素量で評価される（土 壌標準分析.測定法委員会，1986).しかしながら，この 方法では煩雑な分析操作に加え長期間を要することなどが 障害となり，土壌診断では診断項目から除外される場合が 少なからず見受けられることから，簡易かつ迅速な評価 手法の開発が望まれてきた.これまでにも，リン酸緩衝液 抽出法（小川ら，1989)，ドデシル硫酸ナトリウム抽出法 (高橋ら，2002)などが提案された力？，黒ポク土への適用 性や他地域での検討に課題があり，普及は限定的である.