中山問地域の自立的獣害対策技術と支援システムの開発、普及 －第61回農業技術功労者表彰受賞記－

摘要

この度は伝統と権威ある農業技術功労者表彰の栄に浴することができました。これも一重に，苦労を惜しむことなく協力いただいた研究，普及，技能労務と職域を超えた仲間や多くの農家のみなさh，そして常に連携し，貴重なご助言や激励をいただいた多くの大学や研究機関の研究者，ご推薦いただいた方々のおかげと感謝し厚く御礼申しとげます。 私は1976年4月より4年間，奈良県の南部中山閑地城を管轄する吉野農業改良普及所に勤務しました。その間，普及員として，病害虫被害発生現場に赴くたびに思い抱いたのが，「被害発生国場と隣の圃場との差」でした。激甚被害に至った圃場と隣接して，被害は見られても極めて軽微な圃場や，被害どころか当該病害虫の発生さえみられない圃場が存在することが不思議で仕方ありませhでした。 以来，今Hに至るまで，こうした被害の圃場間差がなぜ生じるのかを検証作業で解明し，その結果をふまえた体系的な被害防止対策の構築に取り組hで来ました。 こうした手法が，病害虫だけでなく獣害でも利用できることが判明した経緯を記して受賞記とさせていただきます。