弱毒ウイルスを利用したヤマノイモモザイク病の防除

摘要

山U県の中山間地域では，ヤマノイモ属のイチヨウイモ（Dioscorea opposita)が地域特産野菜として多く栽培されているが，ウイルス病の汚染により，収量、品質の低下が問題となつている。 その症状は，葉にわh曲を伴ったモザイク症状や葉脈緑苗を生じ，症状が激しくなると株全体が萎縮する。 1994年までの調査の結果，本病はヤマノイモモザイク病（：Japanese yam mosaic virus:JYMV)であることが明らかとなった。 本病原ウイルスは，種イモとアブラムシにより伝染するため，防除対策としてウイルスフリー株への更新と同時にアブラムシの防除の徹底で再感染を防ぐことが可能と考えられた。しかしながら，農薬散布によるアブラムシの防除は，重労働で，栽培者の高齢化が進hでいる地域では困難なことなどから，フリー殊更新後3年も経たないうちに再感染するなど，十分な効果は得られなかった。