閉鎖型苗生産システムの現状における問題点とその解決法（9）システムのより一層の普及に向けて

摘要

閉鎖型苗生産システムの主要構成要素は一般的な電化製品であり，使用法は簡便ではあるものの，それを誤れば高品質な苗を生産することが難しくなるだけではなく，苗生産にかかわる資源の浪費につながる。 筆者らは，これまで太洋興業㈱により商品化された閉鎖型苗生産システム（商品名：苗テラス）が導入された苗生産業者，大学等研究機関を見学してきた。 その際，これまでの連載中で述べてきたような多くの問題点を散見し，改善のためのアドバイスを行ってきた。 しかしながら，そのアドバイスを理解し，実践するためには，システム全体を網羅するための農学工学的知識とともに，電力契約や最新技術に関する情報収集といった実務的な知識も必要とされるために，アドバイスの内容を理解してもらえず，それが単に話だけで終わってしまい，実践に移されることば／少なかった。