オランダの施設園芸技術の発達過程と近年の動向

摘要

トマト栽培においては高温や高湿のため自然交配ができないため，オランダでは電気振動器，日本ではホルモン剤による噴霧法が長年続けられていた。 1988年にべルギーで開発され，オランダで急速に普及したマルハナバチによるトマト交配技術は，1992年に日本に紹介され，直ちにその切り替えが始められた。 この技術は土耕においてもロックウール栽培においても，省力化のほかにトマトの品質向上にも寄与し，生産効率を一段と高いものにした。オランダから我が国のトマト栽培にもたらされた技術としては，この30年間において最大の成果をもたらした。