培地温度管理型栽培システムによる夏秋イチコの栽培試験について

摘要

徳島県三好郡三加茂町水の丸地区（標高約900m）の山間地域では，その冷涼な気候を利用して四季成り性のイチゴ品種‘ぺチ力’を用いた夏秋期栽培を行っている。 四季成り性品種を用いて夏から秋に出荷されるイチゴは「夏秋イチゴ」と呼ばれ，冬から春に出荷する一季成り性イチゴの2～3倍の単価で取引されている。しかし，同地区では定植時期の低温による植え痛み，真夏の高温による成り疲れおよび秋期の低温、短日による生育の低下によって収穫量が伸び悩hでいる。 そこで，培地温度を安価かつ均一に制御できるシステムとして，ヒートポンプからの冷、温風を夜間電力を用いて培地に通風することで根圏域の温度制御を行う「培地温度管理型栽培システム」を製作して‘ペチ力’の栽培を行い，生育と収量の改善効果を実証した。