生物産業におげる人工放射の応用～一研究者の回想とねがい～

摘要

昨年，農業電化協会から「LEDの農林水産分野への応用」（田澤信二民ら11名著）が刊行された。 LEDは，これまでの白熱電球，蛍光ランプ，高圧水銀灯などにかわる新しい光源として大きな期待を持っていただけに，時宜をえた，充実した内容で感銘を受けた。 「人工光源の生物産業への応用」の調査，研究に長い間携わってきた者として，1969年の赤色に始まり緑色，青色から白色にいたる様々なLEDの開発の経過，シャープな発光スペクトル特性，エネルギー変換効率などとともに，最近急速に進められているその応用の多様さに，LED，そして人工光源もここまで来たのかと，将に隔世の感と感懐を禁じ得なかった。本誌の「農業電化の歩みとこれから」への投稿の機会を与えられたのを幸いに，いささかの回想と願いを述べてみたい。