集落営農における所有と利用の分離②: 島根県中山間地域の畦畔除草困難水田の事例

摘要

島根県内には2012年3月末で599の集落営農組織が設立され、このうち145が法人化されているが、高齢化の進行による農地維持機能の低下が大きな問題となっている。とくに、中山間地域の農地保全においては、畦畔除草をいかに進めていくかが、もっとも重要かつ深刻な課題となりつつある。県内の集落*e農型法人の大部分では、農地利用者としての法人と農地所有者としての構成員が水田の利用権設定をおこない、法人は地代を支払うとともに、畦畔除草については構成員へ管理手当を支払つて再委託している。しかし、構成員の高齢化や不在地主の増加、さらには集落内外の法人直営水田や法人所有水田なども含めて畦畔除草困難水田を抱える法人が増えている。