太陽の光で作物に水を与える〔2〕－ソーラーポンプを利用した低コスト日射制御型潅水装置の試作－

摘要

幅20cm，深さ20cm，長さ3．6mの発泡スチロール枠の内部に，ビニールシートを敷いて作った隔離床でトマト栽培を行った．培地としては，ヤシ殻，スギ皮，もみ殻など，いずれもきわめて排水性の良い非土壌系培質を用いた．供試した品種は桃太郎ファイトで，100m2のビニールハウス（幅6m，長さ17m）2棟で，それぞれの棟に栽培ベッドを4畝×3列配置し，株間30cmで8月30日に定植した．肥料としては，窒素－リン酸－カリ：16－9－10を含む被覆肥料を株当たり80g施用し，水管理は間欠式自動潅水装置による自動管理とした．加温装置がないため，10月15日に3段摘心し，12月13日収穫を終了した．試作機のタンク容量は500Lで一回の実配水量は，タンクにデッドスペースがあるためおよそ370Lで，200m~2規模の栽培に対しては潅水量が多すぎるため，メイン配管を2つに分け，一部は栽培ハウス，残りは側溝へ排水し，排水量をボールバルブで調節することで，ハウスへの潅水量を調節した．