豊かな国土生産力を次世代に〔3〕 －耕作放棄地放牧を核とした新しい輪作技術の開発に向けて－

摘要

耕作放棄地の面積は増加傾向が続いており，2005年の農業センサスでは39万haと報告されている（図1）．しかし，近年，バイオ燃料の生産増加や，中国をはじめとするアジア各国の経済発展に伴う食生活の向上などにより，穀物需要が増加する一方で，地球温暖化が原因とされる気象災害や砂漠化による農地の減少など，供給面での不安定要素が増加している．このため，長期的にみると，世界規模での食料不足の可能性が高まっていくものと予想さゥれ，耕作放棄地の増加に歯止めをかけ，食糧自給率の向上を図ることが急務である．