知能的植物工場の新展開〔8〕一国家事業としての植物工場普及拡大策と未来の予見一

摘要

日本学術会議は平成17年7月に，その第19期農 業環境工学研究連絡委員会（橋本康委員長)^におい て日本学術会議対外報告書「気候変動条件下および 人工環境下における食料生産の向上と安全性」と題 する重要な提言をまとめた（橋本2005).その提言 は，食の安全を脅かす要因に対するモニタリング， 予防を含めソフトを有効利用する情報科学的な包 括的なフードシステム，安全貯蔵技術の確立が必要 であり，今日の食料生産を取り巻く環境に鑑み植物 工場の重要性と植物工場が担うべき役割について 明確にした.植物工場を将来の食料生産，生物生産， 更には物質生産を支える革新的なシステムとして 扱う必要があることが提言されている.この学術会 議の提言は，政府各省庁および産業界等へ示され， わが国における学術および科学技術の発展に方向 性を与えるものである.次に述べる農商工連携研究 会植物工場ワーキンググループの第1回委員会にお いて本提言の関連資料が提供された.