地域農業の最適構造とそのシステム化 －山口県を事例として－

摘要

近年，中国からの農産物輸入激増には目を見張るものがある．中国政府として穀物生産を，アメリカを中心とする海外に依存し，より付加価値の高い野菜頬に生産の力点を移し，野菜を重要な輸出品目に育て，近隣の農産物消費大国日本に輸出することによって外貨獲得，すなわち沿海部と所得格差拡大が広がる農村部の重要な所得源にする施策が展開されつつある．日本は，穀物はアメリカに，野菜芙頁は中国に依存することによって，急速に国内産農産物に対する市場を縮小化しつつあり，農村部の疲弊は従来にも増して厳しいものになりつつある．このような情勢の中で，わが国の農業、農村は国土、景観保全，農業生産基盤の未来への継承を含めて生き残りを模索しつつあり，その方法，仕組みが様々な形で展開されている．