北海道における農業農村整備事業の展開と地域特性に関する分析

摘要

北海道の農業は，恵まれた土地資源を活かし，気 象や立地条件など地域特性に応じて，稲作，畑作， 酪農が展開されている.多様な農業が実現している 背景には，公共投資による農業生産の基盤整備や農 村の生活環境の基盤整備が大きく寄与している.出 村[1]も，農業への公共投資は「広汎な社会資本 投資を含hでおり，ことに北海道の農村地帯では農 業投資が地域開発を主導する役割を果たしてきた.」 と指摘している.農業、農村の持続可能性を確立す るためにも農業公共投資の果たす役割は大きい. しかし，ここ数年は厳しい財政事情から農業公共投資は年々減少傾向にあり，事業コスト縮減や事業 自体の見直しが行われている.今後は限られた予算 規模で，地域農業の特質と地域農業を取りまく環境 の変化に柔軟に対応し事業内容を変えて実施するこ とが要求されるだろう.