中山間地域等直接支払制度の集落協定継続を規定する諸要因に関する研究 一京都府福知山市三岳地区を事例にして一

摘要

2000年度より導入された中山間地域等直接支払 制度は，2009年度現在第2期対策の5年目である. 本制度による耕作放棄地の発生防止や農用地の保 全，集落機能の強化等の効果については，都道府県 知事また関係諸団体によりその効果が評価されてい る.その他，京都府における全集落協定代表者を 対象にしたアンケート調査においても，以上の効果 についてはいずれも9割近く，もしくはそれ以上の 割合で高い評価をしている2).さらに，本制度は， 本年度により第2期対策が終了するのだが，以上の 効果を踏まえ，2010年度からの第3期対策の継続 が待たれている3).上記の京都府が行った全集落協 定代表者を対象にしたアンケ一ト調査においても， 9割以上が第3期対策への継続を要望している. しかしながら他方で，集落協定そのものの廃止と 縮小が危惧される.第1期対策から第2期対策への 移行に当たり，4，278の協定が継続を断念した. 協定を継続できない理由としては，高齢化等による 5年間の協定農地維持管理の継続に対する不安，地 域のリーダ一の不在といった深刻な課題がある.