島根県における地域貢献型集落営農の推進と新たな展開: 広域連携による複合的なサボ一卜組織を事例として

摘要

島根県では，農業生産活動による農地の維持を含 め，地域の経済，生活，人材の維持に貢献する地域 公益的な集落営農組織を「地域貢献型集落営農」と定義し，2008年より施策を推進している[1].この施策の先行事例である出雲市佐田町の有限会 社グリーンワークは，地域の過疎、高齢化が進行す る中で，「地域農業の維持を目的とする農業生産活 動だけでは，将来の地域社会の維持が困難になる」 という考え方から事業を展開している.注目すべき は，交通不便な高齢者の外出、買い物支援など地域 の暮らしに根ざした地域貢献型事業に取り組hでい ることである.これらの取組の意義は，地域社会的 な側面において，住民が安心して住める生活環境づ くりに貢献していること.次に，法人運営面におい て，農閑期の収入確保により年間雇用を実現すると 共に事業活動を通じて，住民との結びつきを強くし， 法人内部の団結力を高めていることである[2].