小特集「震災と地域農業一食と農の視点から一」放射性物質の健康影響に対する市民の心理と双方向で密なリスクコミュニケ一シヨン: 知識の獲得に必要な精緻な情報吟味プロセス

摘要

東北地方太平洋沖大地震とそれに由来する複合災 害はいまだ激甚な爪痕を残している.その復旧、復 興とともに，人為局面においては原因や責任の究明 が進められており.また，リスク研究の視点からす ると，今後の低頻度、巨大災害のリスクをどのよう に推定し.対応していく力、.さまざまな領域におい て取り組みが続いている.そのなかでわれわれはささやかではあるが，被災後の2011年5月頃から，福島第一原子力発電所から 放出された放射性物質の食品を介した健康影響について，この領域の専門家の協力を得ながら科学情報 を作成し，市民への双方向のリスクコミュニケ一 ションモデルを提示し，関東と関西で小学生の子供のいる男女約50名の市民を対象にフォーカスグルー プ、コミュニケーションを進めた（2011年6月-8 月）.また，リスク認知に関するWeb調査を実施し た（2011年5-6月，2012年1月各関東、関西の子 供のいる男女2472名，2月日本全国の20代-50代 の女性3296名）.