過疎化地域における民間非営利活動の特性と組織の継続要因一石川県珠洲市のNPO法人を事例として一

摘要

過疎化、高齢化が著しく進む農山漁村地域におい て，地域資源の管理のあり方が大きな課題となっている.このような状況の中，NPO法人（特定非営利 活動法人）や住民出資型の株式会社が地域資源管理 主体として注目されている.中塚[1]は，地域資源 管理システムのあり方について，農村住民や都市住 民，農業法人等と協力して，非営利組織（non-profit organization: NPO)が里山や農地，水路等を管理する ことを提案している.しかしながら，NPO法人は 全体として，都市部に特に集中して分布し，人口の 割合以上に不均等な分布を示している（埴淵[2]). また，農業や農村分野に関わるNPO法人について も，都市部に多く農村部には少ない（冨吉[3]). すなわち，農村地域の現場においてNPO法人が地 域資源管理の実動部隊として十分に機能していない 可能性が示唆される.