中国内モンゴル自治区における私企業リンケージ（PEL)型酪農の現状と課題 —フフホト市の乳業メーカーと酪農家を事例として一

摘要

中国における酪農、乳業は，1978年の農村地域改 革からスタートした改革開放政策への転換により個 人による生乳販売が認められ，その生産体制は大き く改善した.その後，著しい成長をみせた酪農、乳 業は，1989年に国家発展和改革委員会によって，国 家経済の発展を促進するための重要な産業として位 置づけられた（長谷川ら[2]). 1990年代以降は，中 国の急速な経済発展にともない食生活も大きく変化 し，畜産物，特に牛乳の消費量が大幅に増加した また，中国政府は国民の健康増進の観点から1997 年に国務院が「全国栄養改善計画」を発表し，乳牛 飼養と乳業は重点的発展産業として位置づけられる こととなった（北倉と孔[3]).