飛行船型低層リモ一トセンシングシステムの試作

摘要

光やマイクロ波を利用した植物や土壌の遠隔計測手法の研究は，主に人工衛星データ利用の基礎として始められたが，そこで得られた基礎知見や基礎手法は航空機搭載センサやハンディセンサ，トラクタ搭載センサなどによる情報収集技術の基礎としても多方面に直接活用されつつある。 近年，生産力の持続性や低環境負荷化，エネルギーの有効利用への要請に呼応して欧米で広がっているPrecision Farming（いわゆる精密農業）においてま　 面的変異情報への要請が非常に高いが，既存衛星センサは時間、空間分解能をはじめとする制約のため特に農業管理への応用では，衛星以外のプラツトフォーム（センサを搭載するシステムの絵称）への要請も高まっている。 実際,リモートセンシングの農業における広範な適用場面を詳細に検討すると，現時点では多くが航空機、ヘリコプタなどによるいわゆるエアボーンリモートセンシングのカバーする領域に入ってくる。