いま大切な主重層傾インベントリー

摘要

インベントリーという用語が，最近の環境関係の文書に頻繁に登場している。インベントリーとは，財産資産目録や在庫目録の意味である。 1997年12月の気候変動枠組条約京都議定書でま　削減目標達成状況を評価する基礎になる温室効果ガスインベントリーの報告義務が決められた。 農業分野ではUSDAの全国資源インベントリーが有名だ。 スタイン、ペックの「怒りのぶどう」のように，土産が吹き荒れたのを契機に1930年代に土壌保全に対する機運が高まり,USDAは「土壌保全局」を設置し，土壌侵食のモニタリングと改善事業に着手した。 現在は「資源保全局」に改組して，土壌侵食だけでなく，農地にかかわる資源全般を対象にし，5年ごとに「全国資源インベントリー」を公表している。 1999年12月に全国の民有地を対象にした1997年版のインベントリーを公表した。 例えば，アメリカの耕地では1982年に年平均18t/haもの土壌侵食があったが，土壌保全の努力によって1997年には年間平均12t/haに減少したことなどを報告している。そして，アメリカは，高度侵食耕地で作物生産を行う場合，環境保全的農法を実施するとの契約を行わないと，政府による価格支持や融資などの受給資格も受けられない仕組みにしている。