農林水産分野における水域環境負荷削減対策に求められるもの

摘要

現在，環境庁に閉鎖性海域水質保全検討会（水質保全局長の諮問機関）が設置され，平成12年からの第5次捻量規制のスタートを念頭に置き，閉鎖性海域の水質保全対策の在り方，具体的方策等についての検討が行われている。 これまで　 東京湾，伊勢湾，瀬戸内海の3水域においては，昭和54年度以降4次にわたるCOD（化学的酸素要求量）の稔量規制と窒素．燐の環境基準の設定,排水規制の実施，各水域の環境基準の類型指定等の対策が講じられているが，CODの環境基準の達成率は低く，富栄養化に伴う障害（赤潮，貧酸素水塊）が発生している状況にある。 このため，今後は，COD（化学的酸素要求量）のみならず窒素．燐も併せたより稔合的な水質保全対策を推進する必要があるという認識のもとに本検討会が設置された。 昨年3月の第1回以来5回の検討会が開催され，検討員として参加している。 環境庁の意図や農畜水産業に係る議論の一部を紹介する。