南海トラフ巨大地震を想定した地域観に基づく移住意向分析一安全性と強靭性に関する地域観に着目して一

摘要

内閣府の統計によると，世界で起こるマグニチュード6以上の巨大地震のうち，約20%は日本及びその近隣を 震源としている"。近年の巨大地震として記憶に新しい のは，2011年3月に発生した東日本大雳災や，2016年 4月に発生した熊本地震である。このように，歴史的に も日本は世界に類を見ないほど大規模な地震被害を受け てきたなかで，復興の現場で形成された有用な知識や， 学術的な調査研究による防災対策のノゥハウが蓄積され てきた。例えば上記以外の震災を取り上げても，2007 年3月に石川県で発生した能登半島地震の復興過程にお いて，被災地域の住民の防災意識や津波逃避行動などの 意識が長期的に調べられている2) 3)。自然災害は地雳ゃ それに起因する津波だけではないが，予測の難しさを鑑 みても，巨大地展を想定した事前防災4"や，災害に強 い社会づくり等の重要性は論をまたない。