北海道の国営農業農村整備事業に対する受益農家の評価

摘要

北海道の農業は，その高い食料自給率（平成20年度カロ リーベースで210%)')が示唆するように，わが国の食料 基地として重要な位置を占めている。しかしながら，そ の基盤を整備する農業農村整備事業費は平成22年度以降 大きく減少し2),事業の計画的な実施が危惧されている。 また，国と地方の役割分担から直轄事業，補助事業などの 制度の見直し，さらには道州制の検討など実施体制のあ り方についても議論がなされているは"。さらに，平成 24年度時点で政府は環太平洋連携協定（TPP)に参加 すべく協議を開始しょうとしており，わが国の農業の方 向自体が不透明な状況にある。このようなわが国農業を 取り巻く状況の下で農業農村整備事業の政策効果を評価 し，今後の農業農村整備事業のあり方を検討することは， わが国農業を再生し，農村を振興するための重要な課題 である。