移住、環住による農村コミュニティのレジリエンス

摘要

2011年3月11日から一年が経過する。復興の見通し が厳しいままの一年であった。この一年間で何がどう解 決してしたのか，その解決に向けて私達は何が出来たの かと自問自答せざるを得ない。東京電力福島第一原発事 故での計画的避難区域に指定され，現在も厳しい避難生 活の続く飯舘村の人達と一緒に行動している中で多くの 矛盾を感じ，葛藤しながらの支援活動をしてきている。農村計画学会誌30巻1号（2011年6月発刊）で，「放 射能で汚染された村で，放射能と共存は可能なのか，共 存するとした時の土地利用，暮らし像をどう描くのカゝ， まだその再生ビジョンは見えない。出来ないとすれば長 期的な移村，分村のビジョンが必至である。新た な福島型農村再生ビジョンづくりが，放射能研究者，農 村計画学者，プランナー，行政職員，村民を交えた再生 ビジョン創造のためのガバナンスによつて構築されるこ とが求めらている。」と書いたが，その復興再生のシナ リオを実現していくにはまだまだ障害が大きい。