農村を学びの場とする際の留意事項

摘要

2008年4月「子ども農山漁村交流プロジェクト」が始動し，全国50のモデル受入れ地域が公表された。これは，農林水産省と線番省，文部科学省が連携して，全国の小学生が農山漁村で1週間程度の自然体験、集団宿泊体験活動を行うことを目指す活動で，農山漁村の教育機能を生かそうとする取り組みである。　しかし農村住民のうち，自ら農相体験を提供することに関心を示す者は少数である。しかも，井上が農業、農村体験活動の問題点として，第1にビジネスとして独り立ちしているものが少ないことを指摘しているように，体験の提僕だけからはあまり収益が期待できない。　このことを踏まえ，農村住民に過大な負荷をかけることなく，農村を学びの場とする方策を構築していかなければ，農村を永続的に学びの場として活用することは困難である。