地域づくナりにおける文化的景観概念とその意義

摘要

1992年の国連環境開発会議の開催にあわせて「生物多様性条約」が採択された。 これを契機に，わが国では，環境基本法，河川法改正，種の保護法，環境影響評価法など，生物多様性と関連が深い重要法令が矢継ぎ早に制定、実施されている。 生物多様性に配慮する傾向は，地域づくりにも反映されつつある。 例えば，農業生産の維持及び，それを通じた多面的機能の確保を目指す「中山間地域等直接支払制度」（以下，直接支払制度）の実施，地域活性化の1手法としてのグリーン、ツーリズムや農村滞在型観光の推進は，良好な自然環境を維持することが不可欠の前提条件である。