野菜輸入の新動向及び日中間の野菜交易に関する均衡関税率

摘要

野菜はつて, 品質の変化が急速に生じるという属性に剋等のために，輸入が最も困難な農産物、農産加工品とみられていた．事実，1960年代前半までにほぼすべての品目で輸入が自由化されていたにもかかわらず，野菜の自給率は, 70年代後半までほぼ100％に近い水準を維持していた. しかし，食生活の多様化，消費の周年化，外食、中食需要の急激な進展に加え，円高や輸送技術の発達等を背景に, 野菜総輸入量は80年代中期から, 著しく増大し始め，2001年，果実輸入量は2754万トン, 野菜輸入量は285.8万トンに達している. 野菜総輸入量が日本国内の野菜消費仕向量に占めるシェアも，1985年の5％弱から2000年の179％へと，著しく上昇し始めたのである.